ペアリング理論
リセット(洗い流し)とは

リセットとは、コクや脂、塩気の強いおつまみを食べたあと、お酒の炭酸・酸味・苦味がその余韻をすっと洗い流し、また次のひと口を美味しく感じさせる働きのことです。同調(似た者同士を重ねる)、対比(違う味同士がお互いを引き立てる)、中和(味同士がぶつかり合って調和する)に次ぐ、当図鑑独自の4つ目のペアリング視点として位置づけています。
対比が「異なる味の相性の良さ」に注目するのに対し、リセットは「同じ動きを繰り返すループをつくる」という時間軸の視点が特徴です。たとえば、チーズのコクをビールの苦味と炭酸が流し、また次のひとくちでコクを感じてリセットされる——という「旨味→リセット→また旨味」の無限ループは、まさにこの考え方を体現しています。ハイボールの強炭酸が油をリセットする、というのも同じ原理です。
料理を作らず市販品を組み合わせる宅飲みでは、素材同士を化学的に融合させる工夫は難しい一方、「合間に飲んで流す」というリセットの発想は誰でもすぐに実践できます。当図鑑のペアリング理由でリセットという言葉が出てきたら、この「流し役」の働きを指しています。
